原文
花郞徒衆嘗數千人、相與勉礪忠信、且新羅隣於倭國則其舞劍器、
必有相傳之術而不可攷矣。今因黄倡郞爲本國劍之縁起。
636 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 06:34:11.21 ID:O1a+vbGi
>>623
新羅は倭国の隣なんだから、その舞剣器は、かならず相伝の術があったはずなんだけど、はっきりわからない=(不可攷)
だから、黄倡郞を本国剣の縁起ということにする。
つまり、
1、倭国には舞剣器があるのははっきりしてる。
2、新羅は倭国の隣だから、倭国にあるなら新羅にもあって、花郎が伝えてたんじゃないか。
3、でも花郎が舞剣器を伝えてたという明確な資料がなくてわからない。
4、だから、記録のある黄倡郞を本国の剣の縁起ということにしよう。
この相伝という言葉は、倭国から新羅に伝わったとか、新羅から倭国に伝わったとかの意味じゃなく、
北斗神拳の一子相伝みたいに、代々受け継いだという意味じゃないかな。
倭国に伝わってるんだから、隣同士の国の新羅にだって伝わってたはずなんだけど明確には解らないと言ってるんだと思うよ。
初見の資料で良くわからんけど、本国剣って、
固有の剣法を指す固有名詞ではなくて、「本国の剣の縁起」みたいな意味のような気がするけど、どうなんだろう。
639 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 06:44:54.83 ID:BU0ZxMxi
>初見の資料で良くわからんけど
一応前後の文章も置いておきますね。
卷之三、本國劍 (增) (俗稱新劍)
(增) 輿地勝覽曰黄倡郞新羅人也。諺傳季七歳入百濟、
市中舞劍、觀者如堵。百濟王聞之名觀命昇堂舞劍倡郞、
因刺王、國人殺之、羅人哀之、像其容爲假面、作舞劍之、
状至今傳之(案)黄倡一作黄昌、即新羅所置花郞也。
如述郞永郞之流故曰黄倡郞也。花郞徒衆嘗數千人、
相與勉礪忠信、且新羅隣於倭國則其舞劍器、
必有相傳之術而不可攷矣。今因黄倡郞爲本國劍之縁起。
焉至若茅元儀以爲劍譜得之朝鮮、
朝鮮既譬於西域之等韻則是朝鮮自本國之譜也。
又譬於日本之尚書則是朝鮮爲傳中國之譜也。
無論其其傳今距茅氏之世爲百數十年則互相授受者爲誰而不少見何歟。
本國之人、何不自傳自習必待茅氏武備志而傳習之、未可知也。
前既言其茅氏之假託而今又臾論本國劍之下。
参考
【剣道】 日本「剣道」のルーツ、世界最古の朝鮮武術「本国剣」をご存知ですか!
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1323691804
640 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 06:56:19.38 ID:njYg9Efi
>>636
前後の背景が分からないからなんとも言えないが
李朝(江戸時代)当時、朝鮮の剣と日本の剣はちがうし、日本には剣舞の術はない。宮中の儀式にはあるかもだが。
そこをもって朝鮮の剣術が日本のそれと同根であると考えるのはおかしいと思われ。
花郎、黄倡郞もよくわからないが
名前からして、花やかな、宮廷で歌を歌ったりしてた役職だろう、武芸に関わりがあったとしても儀式的なものの可能性が高いよ
黄倡郞の故事、百済王を剣舞で魅了して隙を見て殺害したという故事をもって花郎が武芸に関わった組織で、黄倡郞がのちの武芸が起こった淵源であるかのような思想のありかたは中国的な歴史観からはありなのかもしれんが、当時の日本の武術も黎明期であるのだから、それが新羅に伝わったことはまずないし新羅のそれがつたわったとして日本にどれだけ影響を与えたかといえば皆無としか言いようがない。
ただ、この文章に関して作者が何を意図しているかを考えるならば李朝時代には剣術はもう伝わっていなかったが、新羅に剣術があったとされているから、日本のそれもきっと新羅の影響を受けているだろうから、それをまねるが、本国の剣術の祖は黄倡郞だよと言ってるってこと。
新羅から日本に伝わったか、新羅、日本両国に伝わったものの淵源は同じか、違いはあるかもしれないが文脈として、上の解釈であることは変わらないんじゃない?
641 名無氏物語 2011/12/20(火) 10:44:54.65 ID:2Aqy/RJh
>>639
朝鮮既譬於西域之等韻則是朝鮮自本國之譜也。
又譬於日本之尚書則是朝鮮爲傳中國之譜也。
この文も解釈に苦しみます。
茅元儀という中国の人が、唐時代の剣術の譜(マニュアル)を朝鮮で見つけます。
中国人が失った物を他国で見つけたのは、西域の等韻(古代漢字の発音)や日本の尚書ばかりではないと言います。
”固知 中國失而求之四裔 不獨 西方之等韻 日本之尙書也”
でも武芸図譜通志の著者は、茅元儀がその剣術の譜を「西域之等韻」に譬えたのだから、自国の譜だと言います。
茅元儀が唐の譜だと断言してるのに、なぜ朝鮮の譜だと言い切れてしまうのか。
「西域之等韻」に譬えたのは、中国が失った物を他国で発見したという意味でしかない筈なのに。
さらに著者は、茅元儀は日本の尚書にも譬えたので、朝鮮が中国に譜を伝えたことになるとも言っています。
これは、朝鮮が中国に自国の譜を伝えたことになるという意味でしょうか?
642 名無氏物語 2011/12/20(火) 11:02:37.17 ID:2Aqy/RJh
>>641
いちおう、自分なりの解釈も書いておきますと……
西域の人は、自分たちの文字で古代の漢字の発音を書きとめていました。
だから、朝鮮で見つかった譜なら、朝鮮人の解釈で作られたのと同じだと。
また、中国は日本に尚書を伝えてあげたのだから、それに譬えたということは、
朝鮮が中国に譜を伝えてあげたということなのだと。
どうも、こじつけのような気がして、すっきりしません。
643 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 11:52:48.31 ID:O1a+vbGi
>>641
文字が2,3コ抜けてるようですね。
西域之等韻というのが具体的に何なのか知らないので、はっきりわかりませんが、
文章の文意は、
茅元儀が朝鮮で得た剣譜というものは、西域の等韻に譬えれば、それは本国で始めた譜と言えるし、
日本の尚書に譬えれば、それは中国の譜を伝えたものだと言える。
(ようするに、考え方によって自前のものとも輸入物とも両方いえる)
言うまでもなく、この伝がはじまってから茅元儀の世まで百数十年経っているのに、互いに相伝授してきた者たちが誰なのか、大まかな所すら残っていないのはどうしたことか。
本国の人(朝鮮の人)が、どうして自分たちで伝習せずに、茅元儀の武備志が出てから、これを伝習したのか。
おかしな話だ。
前に既に茅元儀の假託だと言っておいたが、いままた、本国剣の下に論を重ねる。
要点は、茅元儀が朝鮮で得たというのは眉唾だという話で、日本の剣術とは無関係な議論ですね。
ちなみに、「不少見何歟」は史記・伯夷列傳の語で、
「あらましさえ記されていないのは、何としたことだ」という意味です。
644 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 11:56:23.80 ID:O1a+vbGi
字が抜けてました。
ちなみに、「不少概見何歟(少しも概見せざるは何ぞや)」は史記・伯夷列傳の語で、
「あらましさえ記されていないのは、何としたことだ」という意味です。
645 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 12:22:45.92 ID:yl0Ril8G
>>640
ありがとうございます。
朝鮮忍者や海東剣道、エセ武術でお金儲けしたり人騙してる韓国系アメリカ人や
外人がいてそいつらが「日本の剣術は朝鮮から伝わった物で侍も朝鮮人だった」と
youtubeで他の外人に言いふらしているんです
でそいつらが根拠に上げてるのがその文章です。わけわからなくなりますよね
やっぱり文化交流は大中国→朝鮮半島→小日本
で逆はありえないということなのでしょうか。
646 名無氏物語 2011/12/20(火) 14:04:43.86 ID:O1a+vbGi
>>645
>>636と>>643を読んでもらえばわかると思うけど、
日本の剣術が朝鮮から伝わったなんて、この文のどこにも書いてないよ。
黄倡郞を本国剣の縁起としたのは、黄倡郞以前の記録が無いから。
記録が無いのに新羅に舞剣器が伝わっていたはずだと推測された根拠は、倭国の隣国だということ。
つまり、それだけ倭国の剣術が名高かったということが推測できる。
前半部分でわかることは、それだけで、新羅から倭国に伝承されたなんて書いてない。
もちろん倭国から新羅に伝わったとも書いてない。
後半は、茅元儀が剣譜を朝鮮で手に入れたということが信じがたいという内容で、
日本の剣術が朝鮮から伝わったとか、その逆だとか、そんな話題は一言も書かれたない。
茅元儀が朝鮮で剣譜を手に入れたのが本当なら、
朝鮮に剣譜が伝わってから茅元儀が手に入れる間の百数十年間に、
朝鮮人の伝承者の名前が知られているはずなのに、そんな記録は一切ない。
だから、茅元儀が朝鮮で手に入れたというのは仮託にすぎないと言ってる。
647 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 17:39:21.37 ID:yk1X3Pvv
>>646
そうかな
俺は、新羅は倭の隣にあるから、その舞劍器には必ず(新羅が)相伝してきた術もあるはずだと読んだよ。
でも、明確に伝わったとされる資料がないから、とりあえず分からない、としたんじゃないの?
日本の剣術にそもそも舞はないし、もしかして型のことか?
でもそれ外国人に無暗にさらすようなものでもないでしょう、
日本の舞劍器が海外で有名ということはないと思うがなあ
そもそも日本にだって剣譜なんてないよ、免許皆伝状はあるかもしれんが
648 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 17:49:09.75 ID:O1a+vbGi
>>647
>俺は、新羅は倭の隣にあるから、その舞劍器には必ず(新羅が)相伝してきた術もあるはずだと読んだよ。
これの「その舞劍器」の「その」は倭国を指してると思ってるの?それとも新羅?
649 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 17:50:53.14 ID:yk1X3Pvv
ここでは倭の舞劍器だと思う
650 名無氏物語 2011/12/20(火) 18:02:35.31 ID:O1a+vbGi
>>649
ちがうよ。それでは、文脈がおかしいことになる。
まず、これは李朝の話じゃなく、倭国と新羅と百済の時代の話。
百済王を殺したという新羅人の黄倡郞は花郎だ。
黄倡郞が身に付けていた舞剣器は花郎が伝承してきたものであろう。
しかし、そういう資料が無いので、黄倡郞を本国の舞剣器の始まりとする。
こういう話になってる。「その」は「黄倡郞」を指してる。
黄倡郞の舞剣器が花郎で伝承されたものだと推測できるのは、
新羅が倭国の隣の国だからだという理屈。
百済・新羅・倭国の時代に江戸時代のような流派に分かれた剣術はないだろう。
倭人が半島で振るう戦場剣法が恐れられていたということ。
649氏は、これを李朝・江戸時代の話と勘違いしているように思える。
651 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 18:08:05.40 ID:yk1X3Pvv
いやあ、半島の三国時代に倭の剣術が恐れられていたのなら、日本でもそういった文章がのこっていると思うなあ
だが寡聞にして聞かないよそんな話は。
日本の剣術が世に知れたのは少なくとも倭寇や秀吉の文永慶長の役からでしょう
だからこそ李朝時代に文章に倭の剣術についての記述がでてくるのでは?
時代考証からの提言で悪いけど
652 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 18:19:58.31 ID:O1a+vbGi
貴方の説にしたがって訳してみると、以下のようになる。
1、花郎の徒衆はかつて数千人いて、相ともに忠信を勉励していた。
2、かつ、新羅は倭国の隣である。
3、だから倭国の舞劍器には必ず(新羅が)相伝してきた術もあるはずだ。でもはっきりしたことはわからない。
4、いま、それで黄倡郞を本国剣の縁起とする。
3の部分だけ、文脈が通ってないよ。
1、2、4は、新羅の話をしてるのに、3だけ突然、倭の話になってしまう。
前後に脈絡がなくなってしまってる。
だから、この解釈は間違い。
653 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 18:24:33.36 ID:yk1X3Pvv
あと、自分は
黄倡一作黄昌、即新羅所置花郞也。
如述郞永郞之流故曰黄倡郞也。
がよくわからない。
その上の文章は、王を刺したことによって百済国人に殺され、新羅人はこれを哀しんで
その容貌を象った仮面をつくって舞剣をして、今に至りこれを伝えるとあると思うが
そのあと、黄倡の一人が黄昌をつくり、これが新羅が花郎を置くところものである、とあるから
花郎と黄倡郎とでは、黄倡郎のほうが早いんじゃね?
654 名無氏物語 2011/12/20(火) 18:33:27.92 ID:O1a+vbGi
>>653
黄倡一作黄昌、即新羅所置花郞也。
如述郞永郞之流故曰黄倡郞也。
この文以前が本文で、(案)以下この部分は、本文に対する編纂者の考証や自分の意見を述べている所。
ざっと訳すと、
黄倡というのは黄昌とも書きます。すなわち新羅が設置した花郎(に所属した人間)です。
述郎や永郎のようなもので、それで黄倡郞と言います。
「作」というのは、「とういう文字を使う」「と書く」という意味で、なにかを作るわけじゃない。
同一人物だけど、伝承によって、黄倡と書く場合もあり黄昌と書く場合もある。
花郎に所属する者は、姓名の下に郎を付けるので黄倡郞という。
という意味です。
655 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 18:35:26.35 ID:yk1X3Pvv
>>652
そうかな、本国の剣の来歴を書く中で、余話的に挿入してるんじゃないの?
123が一つのくくりで、花郎は忠信な気質をもっていて、倭は新羅の隣にあるから
倭の舞剣器には、忠信な花郎の剣術がずっと伝わってきていて不思議ではない、みたいな文脈で
でも、それは想像の域をでないよね、
とりあえず、ここでは話をもどして、黄倡郎の故事を我が国の剣術の由来としておくとしよう
という流れだと思ったわけで
656 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 18:42:17.48 ID:yk1X3Pvv
>>654
なるほど、解説ありがとうございます。勉強になります。m(_ _)m
花郎が先ってことか
657 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 18:43:01.52 ID:O1a+vbGi
>>655
>倭は新羅の隣にあるから
これだったら、まだ、なんとか文脈は通る。
でも、原文は「新羅は倭国の隣にあるから」になってる。
主語が新羅か倭かでぜんぜん違うから、そこら辺をアバウトに読んでると誤読することになるよ。
文章そのもの、文脈を追わずに、
文化は半島から列島に伝わったという文章のはずだという思い込みで文を読んでるんじゃないかな。
原文は、単に新羅の剣術の話のみで、列島に伝わったとか列島から伝わったとか、
そんな話には全く触れてないよ。
660 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 20:40:36.54 ID:ciLW6+zM
>>657
なるほど
倭には代々相伝される舞剣器がある+新羅は倭の隣にあった
→新羅にも(倭のように)相伝の舞剣器が有ったんじゃないかな?
って以上の意味はない、ということですね。
661 名無氏物語 2011/12/20(火) 21:01:14.09 ID:O1a+vbGi
>>660
だいたいそういうことですが、倭に舞剣器が相伝されていたとまでいうと言い過ぎだと思います。
倭では刀剣の文化が盛んで、倭と政治的地理的に近しい新羅にも刀剣の文化があっただろう。
そして黄倡郞の舞剣器も、そういう新羅の刀剣文化の中で伝承されたものであっただろう。
しかし、そこを明確にできる資料がないので、黄倡郞を本国の剣の始祖ということにしよう。
ということだと思います。
この文は、倭と新羅が地理的政治的に近しいという言及であって、
どっちが先だ、どっちが後だというところまでは言及していないということです。
まあ、常識的には仏教などの文化は大陸から半島経由で列島にということになりますが、
上にリンクした動画を見ると、朝鮮半島は弓矢は盛んだけど刀剣はあまり得意ではないようで、
だったら、ごく初期の刀剣文化は南から来たのかもしれないし、(考古学はまったく知りません)
この文だけで剣道は半島起源で日本に伝わったというのは無茶すぎますね。
662 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 21:46:01.01 ID:ciLW6+zM
>>661
有難うございます。私は質問者ではありませんが、同様の疑問を持っていたので助かりました。
ご指摘の通り半島→列島の思い込みがありました。というのも2000年に発売された
武芸図譜通史の英訳本"Muye Dobo Tongji : The Comprehensive Illustrated Manual
of Martial Arts of Ancient Korea" では以下のように訳されていたからです
The Hwa rang was a group of thousands of young men who were committed to be loyal and faithful.
Since Shilla Kingdom was located near japan, there is a great probability that they passed on the
sword methods to the Japanese, but there are not adequate historical records to support this supposition.
The origin of the bon kuk gum began from Hwang Chang-rang.
花郎は忠誠と信義に身を捧げた数千人の若者の集団であった。
新羅は日本の近くに位置していたので、彼が日本に剣法を伝えた大きな可能性があるが
この推測を支持ような確認できる歴史的記録はない。
本国剣の起源は黄倡郞から始まった。
663 名無氏物語 sage 2011/12/20(火) 21:47:20.90 ID:ciLW6+zM
>>662
×:彼が日本に剣法を…
○:彼らが日本に剣法を…
665 名無氏物語 2011/12/20(火) 23:00:38.61 ID:O1a+vbGi
>>662
こう訳す気持ちは、すごくよくわかります。
実際、訳文を見せられると、あれ、これがあってるのかなと思います。
僕もドキッとしました。
でも、この訳って、「今因黄倡郞爲本國劍之縁起」の「因」の字を訳してないと思います。
因は原因の因で、「いま、そういう理由で黄倡郞を本国剣の起源とする」となるのですが、その理由・原因とは「不可攷矣」=「確認できない」です。
「彼が日本に剣法を伝えた可能性を確認できないので本国剣の起源とする」
では、文章の意味が通りません。
意味が通らないので、英訳では、この「因」を飛ばして訳してません。
「新羅国内で、黄倡郞以前に剣法の伝承を確認できない。だから黄倡郞を起源とする」ならば、きちんと文章の意味が通ります。
つまり、「其舞劍器、必有相傳之術」は、日本に伝えたということではなく、
新羅国内での伝承についての言及ということになります。
669 名無氏物語 sage 2011/12/21(水) 05:27:52.17 ID:sxUr5oJ2
>>665
今因黄倡郞爲本國劍之縁起
今、黄倡郞に因りて、本国剣の縁起とす。
では?黄倡郞にちなんで、本国剣の縁起にするのであって、
前の文をうけて、それに因りてではないでしょう
主語がぬけることくらい漢文はふつうにありますよ
因穴為室。も
穴を居室とした。と訳すし
670 名無氏物語 sage 2011/12/21(水) 08:31:35.80 ID:izCkUTwa
穴は一般名詞だけど黄倡郞は固有名詞だからじゃね?
671 名無氏物語 sage 2011/12/21(水) 08:41:40.56 ID:sxUr5oJ2
固有名詞だとどうしてそうならないのか文法上の理由、もしくは例はあるの?
672 名無氏物語 sage 2011/12/21(水) 11:19:54.85 ID:izCkUTwa
穴に因りてじゃ変だから飛ばしたんじゃね?
673 名無氏物語 sage 2011/12/21(水) 17:02:04.83 ID:UKZ9G/OE
変か?穴を利用して居室としたという意味だろ
訓読も「穴に因りて室をつくる」だよ
黄倡郞に因りて本国剣の縁起とす、も
黄倡郞をとりあげて本国剣の縁起とするという意味だろ
676 名無氏物語 2011/12/21(水) 22:25:42.38 ID:1QbfACHR
>>673
「因穴為室」「穴に因りて室をつくる」という文が成り立つのは、
穴が住居に利用できるということが普遍的事実であり、自明の理であるから。
「因魚為室」という文は、文としては書けても、これだけでは意味として成り立たない。
これが文として成り立つには、それまでの文脈で、論理的な蓋然性が必要。
例えば、鯨サイズの大魚が打ち上げられて、その死骸がひからびて骨格がのこり、
それを利用して住居を作ったというような話のなかならば、「因魚為室」という文がなりたつ。
上記の事に照らして、「今因黄倡郞爲本國劍之縁起」を考えて見る。
黄倡郞が剣法の始祖であるということは普遍的な事実でもないし、自明の理でもない。
また、「且新羅隣於倭國則其舞劍器、必有相傳之術而不可攷矣」という文を
「新羅は倭国の隣だから、倭国の舞劍器は、かならず新羅から伝わった術があったはずだが証拠は無い。」
と訳してしまうと、文全体の流れは
1、花郎の徒衆はかつて数千人いて、相ともに忠信を勉励していた。
2、かつ、新羅は倭国の隣である。
3、だから倭国の舞劍器には必ず(新羅が)相伝してきた術もあるはずだ。でもはっきりしたことはわからない。
4、いま、黄倡郞を利用して本国剣の縁起とする。
となって、黄倡郞が剣法の始祖である理由は、この文のどこにも書かれていない事になる。
>黄倡郞にちなんで、本国剣の縁起にする
と解釈しようにも、黄倡郞を本国剣の縁起にちなむ理由が何も書かれていない。
何の理由も説明せずに「魚を住居にする」と言っているようなもの。
だから、そのような解釈は成立しない。
677 名無氏物語 sage 2011/12/21(水) 23:30:44.18 ID:UKZ9G/OE
(增)の部分が、黄倡郞を縁起とする因なんじゃないの?
そもそも因りてを接続詞としたとして、
黄倡郞爲本國劍之縁起はどう訳すんだよ
黄倡郞が本國劍之縁起のなるのか?
せめて黄倡郞を以て縁起とするぐらいの語形になるはずだよ
680 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 00:01:59.85 ID:aZOU5V1Q
>>676
解説いただいた内容には大いに納得しています。ただ、
1 .花郎の徒衆はかつて数千人いて、相ともに忠信を勉励していた。
2. かつ、新羅は倭国の隣である。
3. 相伝の術があったはずだ。でもはっきりしたことはわからない。
4. そういうわけで、いま黄倡郞を本国剣の縁起とする。
であっても、2から3にかけてが唐突な気がします。
「倭の隣だ」と「相伝の術が有ったはずだ」との間には結局なんらかの補間が必要で、例えば
a. 倭には剣術があって、倭に有るなら新羅にも
b. 倭には剣術があって、勤勉な花郎はそれを学んだろうから新羅にも
c. 勤勉な花郎による剣術が倭に伝わり、倭にも
としたら、cは文脈に合わないから無し、bはそこまで書かれていないということですが
aも同様に本文にはそこまで書かれていない気がしますがいかがでしょうか?
(私自身はaで問題ないと考えています)
681 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 00:04:55.73 ID:Xa88B/J1
周易の時代は文が簡素で意味が幅広いよ
漢文以前だし、後代のものが通常の散文で参考にする用法だとは思えない。
仮に「みなす」と考えるとして、易の文は、乾も馬も、記号的に符号させようとしている文じゃないか
黄倡郞と本國劍之縁起がともに符合できるような抽象概念なら、為をはさんで主述関係が認められるとしても
ここでは黄倡郞と縁起の関係は明らかに、縁起の主体としての対象を問題としているだろう
為で結ぶことに違和感を感じるわけだが
682 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 00:48:33.86 ID:WmMgDfWV
>>680
>aも同様に本文にはそこまで書かれていない気がしますがいかがでしょうか?
僕も、aだと思います。
御指摘通り、この本文にも案文にもそこまで書かれていませんが、
上の方でリンクを張った動画を見ると、同じ書物「武芸図譜通志」には
倭剣の章が設けられていて、倭剣はとても固く鋭利で、中国のものも及ばないというような論が載っていますし、
倭人の戦闘の勇猛さも紹介されています。
ですから、aのような類推があったのでしょう。
>>681
>後代のものが通常の散文で参考にする用法だとは思えない。
因穴爲室を引っ張ってきた後漢書だって、「A爲B」の句形はたくさんありますよ。
>為で結ぶことに違和感を感じるわけだが
漢文に慣れていないからじゃないでしょうか。
683 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 01:02:54.29 ID:WmMgDfWV
例えば、後漢書李賢注は唐代に作られたものですが、
王莽置六隊,郡置大夫一人,職如太守。
南陽 為 前隊,河? 為 後隊,潁川 為 左隊,弘農 為 右隊,河東 為 兆隊,?陽 為祈隊。
という文があります。
「A爲B」という句は、基本的に「A=Bである」という意味であり、
文脈によって「AをBとみなす」「AはBである」「AをBとする」などと訳しわけるわけです。
685 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 05:26:21.29 ID:Xa88B/J1
>>683
それは分かる。
だけど、ここの場合、黄倡郞は縁起にはなってないから
人が起源になる、というのは成り立たないって言ってるわけだよ
人が職だとかは分かる、それは~になるって意味だから
黄倡郞の件の話を縁起とするわけだろ?
686 名無氏物語 2011/12/22(木) 07:05:56.21 ID:WmMgDfWV
>>685
>人が起源になる、というのは成り立たないって言ってるわけだよ
だったら、今因黄倡郞爲本國劍之縁起。をどう解釈するの?
687 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 07:32:57.33 ID:Xa88B/J1
>>686
さあ、
たぶん
(増)の段で黄倡郞の説話を紹介する。
ここでは黄倡郞の剣舞の伝統舞踊?は今に伝わっているよう
だけど、俗に新剣というとあるから、伝わっていたものはとても剣術とよべるようなものではなく
最近剣術として成立したものなんだろう>本国剣
新羅の剣という意味でなければ
(案)で黄倡郞の説明をしてて、
その後の段は著者の考察があるが、
結局よく分からない、としているのだから、
後段への影響は無視できるんじゃないの?
で、とりあえず、今は黄倡郞の逸話に因んで、これを本国剣の縁起とする
という文意だと思うが
688 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 07:53:08.95 ID:Xa88B/J1
黄倡、新羅が置くところの花郎なり
という説明は黄倡郞が花郎の一員で、花郎は他にたくさんいたから舞剣器が他にもいろいろ伝わっていてもおかしくない
たぶん、作者は花郎を武術集団だと思ってたんじゃないの?
でも、黄倡郞の舞剣器しか残ってないし、しかもそれが故事を悲しんだ人たちによるお祭りの伝統舞踊と来ているから
本国剣術はもう存在しないのだけど、黄倡郞を本国剣の縁起とする、という文意かも
倭が引き合いに出されたのは、武術集団である武士層と花郎を同一視するところから出てきたのかもな
689 名無氏物語 2011/12/22(木) 13:55:06.54 ID:CR3SBEdR
当時の朝鮮人も現在の韓国人も思考回路はあまり変わってないのだと思う。
本国剣は中国と日本からパクって混ぜたようなものだから、起源捏造して自尊心を保てるようにするんだと思う。
692 名無氏物語 2011/12/22(木) 17:22:00.29 ID:WmMgDfWV
>>687
>今は黄倡郞の逸話に因んで、これを本国剣の縁起とする
1、「黄倡郞の逸話」って、「の逸話」を補って解釈してるじゃん。
2、「これを本国剣の縁起とする」っていうけど、「これを」にあたる語が原文に無いよ。
きちんと一語一語を丁寧に解釈せずに、なんとなく印象で無い語を補って訳してたら、
原文の意味とは全然違う訳が出来てしまうよ。
それと、上でリンクを貼った動画に、この文章の版本の画像が出てる。
そういうのも見て、花郎についてもググるくらいはしたほうが良いよ。
>>689
この文章の作者は、「新羅は、倭剣を使う倭国と近しかったんだから、剣技の伝承があったはずだ」という、
至極真っ当な推測を述べてるだけ。
後世の韓国人が、意識的か、単に漢文が読めないだけかわからないけれど、
原文の意味を曲げて「新羅から倭国に剣技が伝承された」と主張しているだけでしょう。
つづく
http://ninjer.blog.shinobi.jp/%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB/%E5%8F%A4%E6%96%87%E6%BC%A2%E6%96%87%E6%9D%BF%E3%81%AE%E6%AD%A6%E8%8A%B8%E5%9B%B3%E8%AD%9C%E9%80%9A%E5%BF%97%EF%BD%9E%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E5%89%A3%E8%A7%A3%E9%87%88%E3%81%8C%E7%86%B1%E3%81%84古文漢文板の武芸図譜通志~本国剣解釈が熱い
693 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 17:46:03.09 ID:BFFPk467
>>692
黄倡郞に因んでとしても、黄倡郞の逸話に因んでとしても、さして文意は変わらないと思うが
猪木が負け試合で123ダーをやりました。
という逸話をあげたあとで、
猪木に因んでこのギャグができあがりました、というのも
猪木の逸話に因んでこのギャグができあがりました、というのも
さして意味は変わらないでしょう
猪木はギャグができあがりましたです、とは次元がちがうと思われ
これを、というのは文の調子を整えるために、俺の独断で入れただけです
逆に分かりにくくなったようで恐縮ですが
作者がまっとうかどうかはこの文だけでは自分には正確には分からない
ただ自分の印象としてはそう思う
たしかに新羅から倭に相伝がなされたとは明言されてないね、それはあなたが正しいと思う
そもそも作者は証拠が黄倡郞の例しか見つからなかったわけだし
だけど、倭が文永慶長両役で圧倒的だったことが朝鮮に強烈な印象となっている背景があって
倭がものすごく意識されているのは確か。
倭が引き合いにだされるのもそのためかと。
で、倭に対抗するべく、本国剣なんてものが新しくできて、新剣なんて呼ばれてたんじゃない?
でも、作者はそれにも関わらず、新剣なるものの縁起を黄倡郞に求めようとしている
倭への対抗意識が感じられてしかるべきだと思う
694 名無氏物語 2011/12/22(木) 19:09:29.62 ID:WmMgDfWV
>>693
>これを、というのは文の調子を整えるために、俺の独断で入れただけです
>逆に分かりにくくなったようで恐縮ですが
そうじゃないです。僕が「ちなみ」と読まない理由が、まさにこれだから。
今因黄倡郞爲本國劍之縁起
これの「因黄倡郞」を「黄倡郞にちなみ」と読んでしまうと、「爲本國劍之縁起」が孤立してしまう。
「A爲B」の句形で、「A」の部分が消えてしまった形。
こういう句形は寡聞にして知らないし、何とも読みようがありません。
だから、あなたも無意識だったかもしれませんが、「これを」という言葉を補って読んでるでしょう。
一方で、経書をはじめとして、いろいろな書物の注釈では、「A爲B」という句形は頻出します。
この文も、注釈の部分です。
人間は縁起ではないというのは、貴方の個人的な感覚なんで、僕がつべこべ言ってもしようがありませんが、
「今因黄倡郞爲本國劍之縁起」は「黄倡郞にちなみ」とは読めないんじゃないでしょうかというのが、
僕の意見です。
695 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 19:23:41.11 ID:BFFPk467
>>694
ふつうに省略されてるってオチなのでは?
たとえば
子墨子解帯為城
子墨子帯を解きて城と為す
墨子は帯を解いて城とみなした
帯を解いて、(帯で何か形をつくって、これを)城とみなしたんでしょ?
696 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 19:31:25.53 ID:BFFPk467
訓読では
今、黄倡郞に因りて本國劍之縁起と為す
とすると思う
因りての部分を、にちなんで、を縁として、にならってなどの意味を文脈から鑑みて正確な意味をあてこんでいくのだと思うが
697 名無氏物語 2011/12/22(木) 19:37:50.68 ID:WmMgDfWV
>>695
子墨子解帯為城
これって、「子墨子解帯、帯為城」なんだけど、帯が二つ重なるので、一個省略した文です。
こういう連続して重なってる語を省略するのは漢文ではよくあります。
これと、「今因黄倡郞爲本國劍之縁起」は、ぜんぜん文の形がちがうでしょう。
>今、黄倡郞に因りて本國劍之縁起と為す
これも、>>694で指摘したのと同じ。
黄倡郞に因りて、「なにを」本国剣の縁起と為すの?
今、因りて黄倡郞を本国の剣の縁起と為す
という読みが一番妥当だと思いますよ。
698 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 20:02:02.05 ID:BFFPk467
>>697
帯は帯でも解いたあとの帯を城にたとえたのだろう
それは帯固有の特徴を城にたとえたというより、その帯をたとえに使ったわけだから
単に帯の語が二つ反復するのを避けたのではないと思うが
漢文は単純な略しはしないよ、一連の流れから連想できるものを略すのであって
煩瑣であってもつづけるものはつづける
だから(増)の部分を略しているだろう
前段で黄倡郞について話をしておいて
黄倡郞に因って、上の部分の話を縁起とする
じゃないと、以前かいたように人が縁起に為ることになってしまうからね
699 名無氏物語 2011/12/22(木) 20:19:22.39 ID:WmMgDfWV
>>698
>帯は帯でも解いたあとの帯を城にたとえたのだろう
>それは帯固有の特徴を城にたとえたというより、その帯をたとえに使ったわけだから
>単に帯の語が二つ反復するのを避けたのではないと思うが
理屈をこねても、帯は帯です。
>じゃないと、以前かいたように人が縁起に為ることになってしまうからね
人が縁起になるのがおかしいというのは、貴方の個人的な感覚でしょ。
個人的な感覚を元に、ありふれた句読を無視して、へんてこな句読の切り方をするのは賛成できません。
筆者が黄倡郞を縁起とすると書いて何の痛痒も感じない感覚の持ち主なら、そう書くわけだから、
個人的な感覚を優先するより、句法をゆがめないように気を配る方が正しい読解でしょう。
700 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 20:25:51.26 ID:BFFPk467
でなければ普通
誰々が何々を為すと読むよ
誰々を何々と為すとは読まない
701 名無氏物語 2011/12/22(木) 20:28:24.29 ID:WmMgDfWV
>理屈をこねても、帯は帯です。
これでは、あまりに素っ気ないので、ちょっと補足。
帯を解いて、その帯を使って城を作った。
墨子が公輸盤相手に解いた帯を城に見立て、机上演習を行ったわけです。
つまり、あなたが
>その帯をたとえに使ったわけだから
というとおり、まさに同じ帯だから、一方を省略したわけです。
702 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 20:40:03.59 ID:BFFPk467
それだったら代名詞を使うって
是為城
みたいにね
おそらく帯で方形をつくり、それを城にみたてたんだろうが
そういう文脈を省略してんだろうよ
帯を解きて、城を為すとはそういうこと。
その帯という事物を省略したというより、帯を解いてからの一連の流れを省略したと見るべきなんじゃないの?
703 名無氏物語 2011/12/22(木) 20:47:51.32 ID:WmMgDfWV
>>702
貴方の主張は、黄倡郞=縁起はおかしいという個人的な感覚だけでしょう。
それによる貴方の読み方は、漢文の句法としておかしいですよと指摘しているのです。
でも、僕が正しいと主張する読解は、貴方の個人的な感覚が許さない。
句法については指摘できても、貴方の個人的な感覚は、僕にはどうしようもないので、
これ以上議論しても無意味だと思います。
これまでとしましょう。
704 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 21:03:23.32 ID:BFFPk467
>>703
もっともらしく書いてはいますが、
こちらの主張をあなたが感覚としている理由は、こちらがすべて否定していると思いますが?
あなたが私の主張を感覚だと決めつけているのは、私がこう思うと謙遜している部分を捉えての一点のみではありませんか
私は趣味で読んでるだけなので、当然知見は狭いです。
とても断定できるほどではありませんので、私の知見の範囲内ではこうであると思う、としているのですが、
あなたは、私の主張を否定するのに、どれほどの例文を出したのですか?
出していないでしょう。
それなのに、論拠もなくまるであなたが正しい見解であることを前提に話を進めているのは関心しませんね。
衒学的な気分に酔っているだけの不逞漢でないのならもっと真摯であるべきだと思いますよ
705 名無氏物語 2011/12/22(木) 21:05:36.41 ID:WmMgDfWV
これまでと言っておいて何ですが、ちょっと補足。
>人が縁起に為ることになってしまうからね
これが、そんなに許せなくて、
>だから(増)の部分を略しているだろう
>前段で黄倡郞について話をしておいて
>黄倡郞に因って、上の部分の話を縁起とする
こんなにややこしい省略を想定するのなら、むしろ
「今因、黄倡郞之逸話爲本國劍之縁起」
の(之逸話)の省略とお考えになったら如何ですか。
706 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 21:09:45.20 ID:WmMgDfWV
>>704
>衒学的な気分に酔っているだけの不逞漢でないのならもっと真摯であるべきだと思いますよ
貴方のレスを読むと、上にリンクを貼った動画に出ている版本の画像も見ていないようだし、
花郎について調べてもいないようだと思ったのです。
そういうところを無視して議論しているようなので、
僕の方こそ、もっと真摯に議論していただきたいものだと思っていたところです。
707 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 21:15:45.45 ID:BFFPk467
そんな略し方があるなら
黄倡郞爲本國劍
でいいと思いますけど
708 名無氏物語 sage 2011/12/22(木) 22:34:21.08 ID:BFFPk467
それか
今因、黄倡郞爲本國劍之祖
なら分かる
あと、動画やっと探したが、内容が関係あるようには思えなかったよ
武芸図譜通志は1790年出版で、御製、三軍は郊外で練習して云々
朝鮮は弓矢の一芸のみで云々
しか書かれてなかった
709 名無氏物語 2011/12/22(木) 23:07:36.96 ID:WmMgDfWV
>>708
最後まで見てないですね。まさに、この文章の部分の画像が出てたでしょう。
それに、例えば、弓矢の一芸のみというのには、
儒教国の朝鮮が、儒教によって君子の六芸とされていた
「礼・楽・射・御・書・数」を重んじていて、
六芸のひとつの射はやってても、刀剣は低くみなしていて重んじていなかったと推測できます。
その動画の中で見られる何枚かの版本の画像から、
こういうことがいくつか解るんで、それを踏まえての読解だけど、
いちいち全部を説明していたら長いレスになって面倒ですから書きません。
それから、「因」の用法だけど、もし貴方が言うのが、
黄倡郞にちなんで黄倡郞の逸話を本国剣の縁起とするっておかしいですよ。
例えば史記に「及生子,文在其手曰「虞」,故遂因命之曰虞。」とあります。
「子を産んでみると、その手に虞という文字があったので、それにちなんでその子のに名付けて虞と言った。」
説明は難しいけど、本来の「ちなんで」の用い方と違うのがわかるでしょう。
まあ、僕が貴方の説を誤って理解していたのならすみません。
710 名無氏物語 2011/12/22(木) 23:09:12.39 ID:WmMgDfWV
>>709
×黄倡郞にちなんで黄倡郞の逸話を本国剣の縁起とするっておかしいですよ。
○黄倡郞にちなんで黄倡郞の逸話を本国剣の縁起とするっていうことなら、おかしいですよ。
711 名無氏物語 sage 2011/12/23(金) 03:27:53.45 ID:nhsZASDd
これは何年か前に韓国の学者が本国剣の国粋主義的歪曲をたしなめた記事に載ってた訳です。
ところどころが省略されているのですが、参考になれば。
....また、新羅は倭国と隣しているが、その剣舞が必ず伝わったということなど明らかにすることはできない。
今、黄倡郎を我が国の剣術の初まりと見なそうと思う。
なぜ(我々は)剣譜を朝鮮で得て行ったという茅元儀と同じなのだろうか。
朝鮮が西域の等韻に喩えられるのは、朝鮮が自ら自国の剣譜を作ったからであり、
また日本の『尚書』に喩えられるのは、朝鮮が中国から
剣譜を伝えられたからである。その作ったものと伝えられたものが、今は茅元儀の時代から百数十年が過ぎていて、
論ずることができないので、相互に遣り取りしたのが誰であったのかは詳しく分からない。
712 名無氏物語 sage 2011/12/23(金) 03:36:48.63 ID:nhsZASDd
つづき
我が国の人々はなぜ自伝自習せずに、
茅氏の『武備志』を待ってこれを伝習したのか分からない。
前に既に茅元儀に言及して、今少しの間、本国剣の章で議論した。
黄倡郎についての故事は『三国史記』や『三国遺事』には見当たらずこの故事が引用された『輿地勝覧』にはどの本を参考にしたのかは出てこない。
だが、『輿地勝覧』には李詹の考証がある。
李詹は慶州に行って剣舞を舞う童子に会ったのだが黄昌の故事はその童子から伝え聞いたものだ。
李詹自身も黄昌の故事は官昌の話が間違って伝えられたものではないかと疑っている。
ひとつ確実なのは、剣舞を舞った童子がいたということでありその童子自身も剣舞の起源を黄昌と挙げただけだ。
やはり黄昌の故事を作って仮託したにすぎず本国剣とこの剣舞とは何の関係もないのだ。
713 名無氏物語 sage 2011/12/23(金) 03:37:52.15 ID:nhsZASDd
つづき
しかし、『武芸図譜通志』の著者たちは、我が国にも黄昌が剣舞を踊ったという故事があり、茅元儀も朝鮮で剣訣を得て行ったというほどの剣術の伝統があったのだろうと推測をしたのだ。
「今、黄倡郎を我が国の剣術の始まりと見なそうと思う(今因黄倡郎為本国剣之縁起)」という一節は、解釈が少し微妙だが、この一節を「今、我が国の剣術の起源が明らかになった」という具合に解釈するのは完全な誤りだ。
縁起と起源の意味は違うのだ。
『武芸図譜通志』の著者たちも、単に黄倡郎の故事を我が国の剣術(本国剣)の始まりと見なそうという意志を表現したにすぎない。 その剣舞が倭国に伝わっただろうということや、茅元儀の言葉を借りて等韻と日本の『尚書』云々していることで、著者たちの推測と意図が分かる。
714 名無氏物語 sage 2011/12/23(金) 06:35:36.59 ID:RQsKsCbc
>>709
及生子,文在其手曰「虞」,故遂因命之曰虞
子を生むに及びて、文その手に在りて虞と曰う、ゆえに遂に因りてこれを命づけて虞と曰う
じゃないの?
因は前文をうけて、接続詞的に扱われているんだよ
秦軍解因大破之。も同じ形。
前文にちなんで、という意味だと思います。
>>711-713
ありがとうございます。
そういう話だったのですね。。
でも、ここの訳だけだとやはり件の部分を断定するのは難しいかと思います。
でもあげていただいたことに感謝です
あと、けっこうなレス数をついやしてしまったのでそろそろ自重します
725 名無氏物語 2011/12/24(土) 01:06:51.40 ID:Z+dG4YIz
>>711
ありがとうございました。漢文の訳の部分は、翻訳サイトで訳したような感じですね。
それにしても、たしなめている方も、間違った訳で解釈しているようです。
どうも、本国剣の問題は、漢籍の専門家がからまずに、誤訳だけが独り歩きしているような気がします。
あるいは、専門家も誤訳だと思っていても、それを指摘すると日本の見方をするのかみたいに
非難されるのでしょうか。
>>714
この例文、大漢和の因の「よって ちなみに ちなみて」の項目にあげられてる例文です。
つまり、「よりて」と読もうが「ちなみて」と読もうが、それは日本語訳の問題に過ぎなくて、漢文の句法に違いは無いということです。
日本語に訳す時に、文脈によって、「よりて」でも「ちなみて」でも好きなように訳せばいいのです。
漢文としては、ある事柄が「原因」となって、なんらかの事象が発生するという因果関係だけです。
「生れたときに手に虞という文字があった」ということが原因になって、「その子」に「虞と名付けた」という事象が発生しているわけです。
それを「ちなんで」と訳しても「それによって」と訳しても、どちらでも良いです。
726 名無氏物語 2011/12/24(土) 01:13:26.48 ID:Z+dG4YIz
連投すみませんが、僕の意見はこれで終わりです。
本題にもどって、貴方は
>黄倡郞に因って、上の部分の話を縁起とする・・・>>698
というけれど、
「黄倡郞が原因となって黄倡郞の逸話が本国剣の縁起になる」
って、論理的に筋が通りませんよ。
だから、「ちなみて」の用法としておかしいと言ったのです。
「黄倡郞にちなみて」あるいは「黄倡郞によりて」と訓読するとして、それって具体的にどういう意味でしょう。
黄倡郞という個人の、存在そのものが原因になるわけはありません。
「黄倡郞に、本文に書かれているような逸話があることによって、」ということでしょう。
だとすると、「黄倡郞の逸話が原因で、黄倡郞の逸話が、本国剣の縁起になる」ということになってしまいます。
「黄倡郞にちなみて」あるいは「黄倡郞によりて」は、
訓読だけみると一見正しいように感じますが、その内容を具体的に検討すると、
上記のようなおかしなことになっているのです。
訓読には往々にして、こういうことが起きます。
ですから、「今、因黄倡郎、為本国剣之縁起」とは切れないと思います。
やはり「今因、黄倡郎為本国剣之縁起」が妥当だと思います。
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